設備はネットで発注

Iさんから、コンクリートが乾いて作業台やオーブンが設置出来る日を教えてもらう。

  • 作業台
  • シンク
  • ガスオーブン
  • ガスコンロ
  • 冷蔵庫

などの配送日を、急いで業者に連絡。

私はこの全てをネットで購入した。お店に見に行く時間も無かったっていうのもあるし、やっぱりネットが安いと思う。中古の作業台やオーブン、冷蔵庫を買おうかと思った事もあるけど、全部新品にした。

ネットで探したら、2槽式シンク1台と、小さい作業台3台が、新品でも合計6万円ほど。冷蔵庫も、中古の業務用か新品の家庭用かで迷ったけど、家庭用で充分だろうと判断して新品を買った。

一番高かったのはガスオーブンと3つ穴のガス台。掃除がしやすいようにとガラストップのコンロにしたので、ここだけは思った以上に出費だった。ここでまた問題として、ガスオーブンとガス台の設置料金は4万円、というお知らせが来た。


うーん任せちゃえば楽だけど、4万円あったらマトファーのジャム鍋が買えるなぁ、と悩みIさんに相談する。「ガスオーブンの設置費、4万円もするから、ガス屋さんに頼めないですかねぇ」と言うと、「頼んだる、頼んだる。そんなん4万なんか勿体無いやん」と、有難いお言葉。よし、マトファーの銅鍋買おう!と1クリックして(こういうトコだけは早い)、オーブン購入の会社に「工事は自分で手配します」と返事。ガスの種類が分からないと売れないと言われたので、「大阪ガスです」と言うと、「じゃ、13Aという種類になるので、13Aと指定して下さい」との返事。

こういう一つ一つの手順が、やる前は果てしなく面倒な事に思えたのだけど、やってみると自分の行動でどんどん物事が進むので、面白いもんだなぁと。

Iさんに手配してもらったのは、ガス給湯器と手洗い。両方とも一番安いヤツ、という注文のみで見繕ってもらった。

手洗いを設置する必要がある
手洗いを設置する必要がある

保健所訪問その5

5回目の保健所。自分では完璧に揃えたつもりの書類。前回の訪問で、作ってくるように言われた商品の裏面シールのサンプルや、ジャムの殺菌方法のフローチャートなど、規定の書類以外のものを揃えて、図面も清書したものと、食品衛生責任者の証書(これは元々持っていた)等などを持っていざ申請へ。

Sさんからも、「はい、これで大丈夫でしょう」と、お墨付きを貰う。「では、申請料として菓子製造業が14500円と缶・瓶詰め製造業が21000円で合計35500円になります。」とのSさんの言葉に固まるワタシ。

「・・・・・・銀行、行ってきていいですか?」きゃー、馬鹿馬鹿馬鹿——。つーか、缶・瓶詰め製造許可21000円って高くね?ワタシのサイフの中には3万ちょいしか無いよ。Sさん「次回でいいですよー」っと笑ってくれるが、今回お金が財布に入ってれば、6回目の訪問しなくて良かったわけですよ。まぁ、最後まで詰めの甘い事でございましたよ。


しかし、これで書類審査は通ったという事で、工事中のIさんにも報告。「そら良かったなー。」と、Iさん。

おぉー、いつの間にか、壁が出来ている!サッシが入ってる!車庫の跡形も無い!!!ひょえー。自分が状況にすっかり後押しされてる感じで、やらねば、やらねば!という心境になる。

コンクリも壁もきれいになった
コンクリも壁もきれいになった

ご近所に見守られる中、工事は続く

コンクリート掘りが終わってから3日間は、仕事で暗くなってきてから帰宅するので、よく進行状況が分からない。一応、毎日夜8時くらいにIさんから連絡が入り、今日はここまで進んだ、という進行状況を教えてもらう。明日はペンキ屋さんが来るよーとか、コンクリートを流すから踏まないでねーっとか。あっという間に5日間が過ぎ、工事も折り返し。

お向かいさんも、毎晩、夕飯の差し入れを持ってきては、進行状況を聞いてくれる。我が家は割りと下町なので、ご近所付き合いはちゃんとある方だと思う。

そういう意味ではセキュリティー面がバッチリだけど、面倒だなーっと思う事も多い。


京都に住むのは大変だ、と言う人も多いし、ワタシもそう思う事もあるのだけど、私は生まれ育った家に住み続けているので、ご近所さんも小さな頃から知ってくれている人達ばかりなので、わが子を見守る、的な思いで見てくれてのかも、と思う。

3年前までは両親もこの家に住んでいて、「嫁にも行かず、親のスネかじり」みたいな目で見られてた感じだったのが、1人でこの家に住むようになってからは、「頑張るなー」とか、「1人で大丈夫?」みたいな応援モードにシフトしてきた印象すらある(気の毒がられてるのかもしれないけど)。

私がこの家に住み続けているのは、第一に家賃が安い(マンションみたく更新料とかも無い)という事だけど、近所に住む人が家族ぐるみで知っているという安心面、みたいなものも凄く大きいと思う。

昔は知らない人ばかりの中で暮らす方が楽だと思ってたけど、1人で居ると、漠然とした安心感って有難いなーっと思う事、多いです。

工事が始まった!

かくして、工事は始まった。前日の夜は熨斗付きの洗剤を持って、「騒音でご迷惑おかけします」とご近所へ。あぁワタシも大人になった、と実感。こういう昔は絶対に嫌だった事が、出来るようになるのですねぇ。「お互い様なんだから、気使わなくていいのに」という温かいお言葉をかけられながら「あー、始まっちゃった」と他人事のように思う。大丈夫か?ワタシ。

初日は車庫のコンクリートを電気ドリルで掘り返す作業。こーれーが、うるさいの何のって。それと凄い埃!!!我が家は隙間だらけの家なので、家中が砂埃で被われる状態。もうリアル「砂の女」by坂口安吾の世界で、初日の工事が終わった時点で、家の中を見て呆然としてしまう。

ガレージの床を掘っている様子
ガレージの床を掘っている様子

Iさんの話では初日でこのコンクリート掘り起こし作業は終わるハズだったのだけど、思ったよりずっとコンクリートが硬くて2日がかりになってしまう、との事。どうせ、掃除してもまた埃だらけになるから、と何を触ってもジャリジャリする家でもう一日過ごす事にする。

電気ドリルを使うのに、車庫の電源だけでは無理だから家の中の電源を貸して欲しい、と言われ、家の中のコンセントに付けたのだけど、部屋の暖房を付けるとヒューズが飛ぶのですよ。

かくして隙間だらけで風邪がピューピュー吹き、砂埃の舞う中、コート着ながら過ごすという、シュールな2日間だった。


次の日、仕事に出かける前に、「どう考えても家に帰って全部の部屋を拭き掃除するのはムリ」と、母にSOSを出して、朝、家を出た。その日の夜、仕事から帰ったら、「キャー!」と歓声を上げるほどにキレイに片付いていた。拭き掃除だけでなく、片付けまでしていてくれた。

我が母は、料理はさておき(本人曰く、やる気になれば美味しく作れる、らしいが)、掃除と裁縫は素晴らしく上手なのだ。そう、私に全く備わらなかったこの2つの家事については、母の前ではひれ伏すばかり。

ワタシはモノを捨てる事がチョー苦手なので、整理整頓が凄く苦手なのです。どっかにあるハズなんだけど、どこにあるかは分からない、みたいな事ばかりで、自分で自分に呆れる事も多い。けど、なかなかモノって捨てられないのです。

保健所訪問その3,その4

水場、床、壁、天井などの大きな設備についての問題はクリア出来た。3、4回目の保健所訪問では、細かな設備についての問題をこなしていく。

例えば、扉付きの食器棚が必要、と言われるのだけど、お店をやるわけでなし、食器は無いので食器棚なんか必要無いです。と言っても、そこはお役所。必要なもんは必要。と言う事で、「調理道具入れ」という名目の、プラスチックの収納コンテナを置く事で、了承してもらう事にした。扉付き食器棚の必要性は、口に触れる物への、鼠や害虫からの接触を避ける、という趣旨なわけだから、これで大丈夫。


元々、砂糖や小麦粉などの材料は、密閉式のコンテナに入れて保管するつもりだったので、いっそのこと全部、コンテナ収納にしてもいいな、と思い、図面に収納庫(プラスチック)と記入。保健所に提出する図面にはサイズは勿論、材質も必ず記入しなければならない。

あと、脱衣所を確保しなければならないのだけど、これは、住居スペースの中のどこかであればオッケーとの事で難なくクリア。さらに、

  • 家の中の洗面所と工房の中の手洗い場に消毒設備
  • 冷蔵庫の中に温度計
  • フタ付きゴミ箱

など、実に細かな規定をクリアすべく、図面にも書き込んでいく。