「2番目或いは3番目」を見た。

 ナイロン100℃「二番目或いは三番目」を見た。
 忘れていた、ナイロンの芝居は長いのだった。まさか帰宅が23時を過ぎるとは。16時に家を出る前にスコーンを食べたっきりだったので、家に着いたら腹ペコですわ。こんな時間にいいんだろうか、と思いつつ、チーズたっぷりトーストとオレンジジュースと、冷凍庫にあったバナナケーキをチンして食べてしまう。バランス無視の、空腹を満たす為だけのメニュー。

 久々のナイロン。前回は4年前のカラフルメリィだった。新作のお芝居は、一体何年ぶりに見るんだろう。ナイロンとか野田さんのお芝居って、ホント関西に来てくれないんだよなぁ。今回も2日間だけの公演だし。日曜のカフェ営業がかぶらなくって良かったー。

 時代も国も何があったのかも明らかにされない廃墟と化した町が舞台。そこに訪れる5人と町に住む人達の交流で物語は進んでいく。客演は小出恵介、谷村美月、マギー、緒川たまき。ケラと結婚した緒川さんは、これからもナイロンのお芝居には出てくるのであろうから、どうなんだろうなーっと思いつつ見たけど、このお芝居で象徴的な「自分より不幸な人に親切にして自分の幸せを確認する」代表格を、痛い人としてちゃんと表現していた。客演では小出君がちょっと、線が細いというか弱かったかなぁ。後半の狂気が、もう一息、という印象。でも、前半は劇団員の方には無い素敵男子っぷりでした。

 全体的な印象としては、笑いが多く、全ての場面で隙あらば笑い、という感じだった。勿論、ベースには人の心の闇とか、ダークな部分が大きくあるのだけど。前半の途中まで、これで3時間ちょっとってツライかなーっと思ったのだけど、終わってみたらビックリするくらい早く感じた。
 犬山さんと大倉君の間の良さが際立ってて、あぁやっぱ凄いんだなぁこの二人、と。みのすけさんと谷村美月ちゃんのシーンとか、これが犬山さんと大倉君だったらドッカーンと笑いが起こるでしょ、と思うくらい、二人が出て無いシーンは笑いを取る場面で笑いが小さく感じた。犬山さんも大倉君も「笑いを取るのが上手い」というより「間の取り方」が絶妙で、ついつい引き込まれてしまい、思わず噴き出してしまう、という感じ。
 大倉君は、好き勝手な事言ったり支離滅裂な事を言ったり、空気無視な事言ったり、時に正論を言って、メリハリのあるボケ老人役。「好き勝手やる人達に挟まれて半ギレでアタフタする役」がハマり役と思ってたけど、ボケ役もいいですねぇ。

 とても楽しめたお芝居だったし、伏線もチョコチョコと張られてて、そこが笑いや狂気になってて、KERAさんっぽいなーと。カーテンコールではKERAさんも登場。あ、あとオープニングクレジットも素敵だったし、三宅さんも素敵でした。

ディスカッションに参加

2件のコメント

  1. ナイロンのネタを拝見したので久しぶりにカキコさせて頂きます。
    ナイロンのお芝居ここ10年程行く機会がなくて行ってませんが、昔はよく行きましたね。
    KERA氏も犬子氏もお元気で活躍されているということで嬉しく思います(波線が入っているかもしれませんが気になさらないでください)
    お忙しい中でお舞台や映画もきっちりご覧になっていて偉いなぁと思います。
    これからも暑い日々が続きますが、くれぐれもお体ご自愛下さい。

  2. geranさん、ケラさん演出のお芝居は割と関西にも来られるんですが、ナイロンのお芝居となるとなかなか関西に来られないので、チャンスを逃してはならん、とムリめのスケジュールながら行ってきましたが、楽しいお芝居でした。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA