ロンドンのカフェでケーキを焼く、その2。

 さぁ、私の作ったブレッドプディング以外にも、ケーキはどんどん焼かれていきます。この日はタルトは無しで、明日用のタルト生地を仕込んだりもしつつ、オーブンの空きを見ながら、焼くべきケーキを順番に焼いていきます。こちらはブラウニーにクリームチーズをマーブルにしたもの。ラズベリーはお店から流れてきたものです。この日はラズベリーやブルーベリーを使ったお菓子が多かったのだけど、Food Marketの方で何か果物が流れてきたら、それを使ったお菓子を作るのだそう。ステキな環境です。

 オーブンの温度は常に一定で、温度を変えたりはしません。ポンポンと次々入れては焼き上がりを見て出していきます。イギリス菓子らしいラフな作り方です。左のはローラが焼いたグルテンフリーのバナナケーキです。

 生地やバタークリームは、ミキサーで作るのだけど、これも驚く程にラフ。こ、小麦粉入れてからそんなに混ぜて平気??みたいな。え?何がダメなの?みたいな(笑)。自分の中のセオリーが崩れていきますが、大抵イギリスのお菓子はボウル1個と木のヘラ1本で作るレシピが多いです。別のボウルにメレンゲを、みたいのは無いのです。

 Aちゃんが作ってるラズベリーのケーキは、グルテンフリーです。小麦粉使わなくても、変わらない食感のケーキが焼けるから、お勧め、と言われた粉がMarketに売ってます。ローラの焼いたバナナケーキも、小麦粉のバナナケーキと変わらない味だった。

 上にベリーのジャム入りのグレーズをかけていきます。ロンドンではヘルシー志向が進んでて、ビーガン用やデイリーフリー(卵・乳製品不使用)、グルテンフリー(小麦粉不使用)、みたいなお菓子はカフェのケーキに必ず何種類か入れるんだそう。

 マフィンは3種類。モコモコで美味しそうに焼けてます。

 バナナのマフィンにはピーナッツバターのグレーズをかけて仕上げ。こういう次々とケーキが仕上がってく光景が、楽しくて仕方ない。ローラやAちゃんに「これは何を入れたの?」「このクリームの材料は何?」と質問しまくります。全部、ちゃんと親切に答えてくれて、作り方も丁寧に教えてくれます。

 ケーキだけじゃなく、カフェで出す「本日のスープ」も作る。私がイギリス旅行中、大変お世話になったメニュー。今日のスープはマッシュルーム。このスープもMarketでちょっと傷んできたな、という野菜が流れてきて、それを使ってスープを作るのです。何人分?って聞いたら、鍋にいっぱい、というアバウトな答え(笑)。

 マッシュルームは2種類を使って、玉ネギと一緒に炒めて、スープストックを加えて塩、柔らかくなったらブレンダーにかけます。マッシュルームや豆や人参のスープは絶対にブレンダーです。ゴロゴロ食感は無いです。なぜ?と聞いても、そういうものなのよ。との事。

 試食をして、もうちょっと胡椒じゃない、うん胡椒正解、ライムを絞ろう、とワイワイ言いながら仕上げます。この美味しいマッシュルームのスープ、カフェでパンと一緒にサーブされます。うふふ、楽しい。

 さぁ、レイヤーケーキも仕上げです。イギリスでは厚いスポンジを焼いてスライスして使うのではなく、薄く焼いた2枚のスポンジを使います。その分洗い物は増えるけど、焼き時間は短くて済みます。大好きなコーヒー&ウォルナッツケーキ。コーヒー味のケーキが好きなので、このケーキも大好きです。

 Aちゃんの作る手元をじーっと凝視。パティシエって感じじゃなくて、お母さんのケーキって感じでしょ、と言うAちゃん。イギリスのケーキは大抵、そういう感じで、私はそういうケーキ好きだもんー。

 さささーっと手早く仕上げ。バタークリームは生クリームと違って、ダレないし、扱いやすいね。これはカフェでも作りたいなー。コーヒー味だけど紅茶とも相性の良いケーキです。

 ローラが作ってるのはレッドヴェルヴェットケーキ。いっぱい色粉使うやつ?と聞いたら「そうそう(笑)」と。チョコレート味のスポンジを真っ赤に色付けして焼いた、これもイギリスでよく見るケーキ。カップケーキの生地でもよく見るけど、チョコ生地を赤く染めるなんて、どんだけ色粉使う?、と怖くて食べれなかったります。

 スプリンクル、青じゃダメかな、とローラが言うので、いや、そりゃ赤じゃない?とAちゃん。こういう会話をしながらケーキが出来上がっていく感じ、本当に楽しいなぁと思います。私もこういう職場で働いてたら、きっと独立せずにやってるなぁ。

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2件のコメント

  1. すてきなカフェですねえ~。日本にも、手づくりのお菓子が売ってて朝早くからずっとやってるチェーンじゃないカフェがそこらじゅうにあったらいいのに! 
    お菓子、ラフなつくりかたでもできるんですね。やっぱりプロだからですかね。レシピにこれは170度でこれは180度でってあって、その10度になにがある?とよく思うわたしです。

  2. なおさん、ロンドンも中心部はチェーン系のカフェが多かったです。私が留学してた頃には無かったスターバックスもたくさんあって、ちょっと残念な気持ちにもなりましたが、外国人にとっては使いやすい落ち着く空間なのかもしれませんね。イギリスのお菓子はラフな作り方がほとんどで、Brocaでは小麦粉もふるわず使ってて、ビックリしました。湿度が高い日本では無理でしょうね。

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