焼き菓子準備とろくでなし啄木。

 いやー、走った走った。駅からの移動は常に小走り。ギリギリまで工房で作業して、阪急に飛び乗りシアターBRAVAに到着したのは開演5分前。席に着いたのは3分前という、常に時間に余裕を持って行動するワタシにとってはストレスフルな移動であった。
 そんなまでして見に行ったのは三谷幸喜生誕50周年大感謝祭の第一弾「ろくでなし啄木」。3人芝居で全員20代の役者という三谷さんのお芝居としては、驚きの低年齢層ではないか。しかも主演は藤原竜也なのである。見に行かずにおれるかと。
 立て込んだスケジュールの中でも見に行って良かった!2階席の前の方だったのだけど、結構低い位置でお芝居が進むので、1階席よりきっと見やすかったんではなかろうかと。BRAVAは1階席の後ろより2階席の前のがウレシイんだよね。
 中村勘太郎君は、お芝居が進むにつれ勘三郎さんとそっくり加減がハンパなく、特に声とか言い回しがびっくりするくらい似てるなー。将来安心というか、まぁ歌舞伎は見た事無いんだけど、舞台役者としては素晴らしい才能と華を持ってて、若いのに出てくるだけでちょっと安心するくらいの存在感。一番心配だったのは吹石一恵さんだったのだけど、割と真面目に面白い事をやると面白くなるキャラクターが元来あるので、その辺が生きてて調和も取れてて、たくさん笑わせてもらいました。
 芥川の藪の中的な話しの進め方で、セリフ量は膨大ながら、難しい言い回しはなく、三谷さんらしいエンターテイメント溢れる場面展開であっという間の3時間だった。
 石川啄木に対するイメージは貧乏で超貧乏で薬代もなく若くして病死、みたいな、漠然とした貧乏イメージしかなかったのだけど、今回のお話ではかなりワイルドで自分勝手で周りを振りまわしてばかりいる存在として藤原竜也君が演じていた。
 前回見た藤原君は「黙阿弥オペラ」で正直、役に対して藤原君が若すぎて違和感があったのだけど、今回はしっくり。三谷さんのお芝居では、今まで見た中でもかなりかなり好きなお芝居。結構、ダメな時と好きな時の差が大きい演出家さんなので、観に行く時はドキドキなのです。

 さぁこれから追い込みにかかる焼き菓子の仕込み。アーモンドやクルミをローストしたり、ゆずピールを刻んだり、ラムレーズンを刻んだり、色々と作る前の準備に明け暮れる。有難い事に、たくさんのご注文を頂き、一人で作れるギリかなという量なので、こういう材料の下準備だけで1日仕事。作った後も袋詰めしてラベル貼りだけで1日仕事だったりする。毎週こうだと効率も良くなるんだろうけど、これだけの量を作るのは1年に1回くらいなので(笑)、去年と比べても全然要領良くなってないという。食事の準備はままならないだろうと、大鍋にカレーも仕込んだので準備万端。明日から必死で頑張りまっす。

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