ジャム瓶とラベルの事。

昨日のカフェに、Sugar Toothのジャムで使用しているガラス瓶の会社の担当者さんが2度目のご来店。一度目は上司の方と、今回は担当者のYさんがお仕事の合間を縫って。お茶をする時間は無いので、ジャムだけ買っていきますーっと、2本お買い上げ頂きました。
 Sugar Toothを立ち上げてから、本当に色んな事を自分で考えて、探して、決めていかなくちゃいけなかったのだけど、その中でもメイン商品となるジャムの瓶選びは、かなり迷って時間をかけて探して決めた。一人暮らしでも一瓶開けてカビないうちに食べきれる量、珍しいジャムでも「買ってみようかな」と思ってもらえる値段に出来る瓶。個性的で瓶そのものが可愛いっていうものも候補に挙がったのだけど、その分、瓶代がかかり販売価格が高くなってしまい、断念。
 数社からサンプルを取り寄せ、ラベルのサイズをアレコレはさみで切ってはセロテープで貼り、kskさんに相談しては却下され、悩みに悩んで、今の丸い瓶を選んだ。写真は150ml容積のちょっと大きめので最後まで迷いに迷った瓶で、自作ラベルの下絵を貼ったもの。150g~160g入る瓶にすると、販売価格は650円~使う果物によっては800円くらいになりそう。やっぱり500円くらいで販売出来る方がいいと思う!と今の瓶にする事にした。瓶を決めたらまた、数社で見積もりを取り、一番良心的価格を頂けた、Yさんが担当の会社で購入する事に決めた。瓶の後はフタの色。シルバーかゴールドか白か。たった3種類なのに、悩みに悩む。
 瓶を決めたら、ラベルのデザイン。Sugar Toothのジャム瓶は丸い。側面がまっすぐだと、大き目のアリンコシェフの入ったロゴも貼れるんだろうけど、丸い瓶に貼るとシワになる。小さい面積のものにするか、いっそ瓶本体には何も貼らないという案も出た。フタと瓶本体にかけた帯は、通販の際にフタがずれたりした時に分かるようにという意味もあって、付けたいと希望を出した。正面のロゴは、最初、ジャムの種類ごとにkskさんデザインのフルーツの可愛い切手風ラベルが貼られる予定だった。すっごく素敵だったのだけど、瓶に貼ってみるとしっくりこない。しかも種類が増えるごとにデザインを考えてもらわなくちゃいけないし、大変そう。タグを付けたり、ドアノブカバーみたいな布をかけたりと、色々な案が出た。
 シンプルにアルファベットのロゴだけにしよう!って決めてからも、幅の太さ、ラベルの色、微妙な違いを色々用意してもらって、切っては貼りを繰り返し、やっとの事で完成した。デザインが決まってブログにアップした時、ドキドキしたなぁ。

 担当者Yさんは、近くに最寄りの駅も無い、民家の一角の工房に上司の方とお二人で訪ねて下さったり、瓶の在庫が少なくなってきたなーっと思ったら「そろそろじゃないですかー」と、電話が入ったりして、個人の小さな営業形態にも関わらず、親身に付き合って下さって有難い。ガラス瓶に関しては前職での知識があったので、価格や条件は何社かは「なめんなよー」っていうものを出されたっていうのが分かって良かったし、だからこそ最初に出された見積もりでYさんのところに決められた。その代わり、千瓶単位での仕入れだから置く場所大変だけど。
 
 先日の東京遠征で、三軒茶屋のアルチザン・テラで見たジャムは、同じ丸い瓶。タグが付いてて、フタの天面にラベルが貼られてて、新鮮だった。ジャムは伊予柑マーマレードで色は同じなのに、全然違う洋服を着せてもらってて「おぉーーーー」と。小さなラベルの貼り方一つで本当に表情が違ってくる。
 Sugar Toothは吹けば飛ぶよな小さなお店だけど、色々と考えて試して、ここに行きついたっていう物事がたくさんある。失敗もたくさんして、無駄なお金も結構使ってると思う。エコバッグにしたって、バッグとアイロンシートそれぞれ何パターン取り寄せたっていうくらい取り寄せて、試して、今の商品内容になっている。でも、この先、長く商品として販売していくなら、その出費はいつかペイ出来ると思って、納得いくように自分が気に入った商品になるように、と。一つ一つの商品に対して、そういう思いがある。利益・効率、売れるもの儲かるものを追求するのはサラリーマン時代に嫌という程やってきて、そこにジレンマを感じていた訳で、せっかく独立したんだから、好きなもの、気に入ったものを追っていきたいなぁと。「売れるもの、儲かるもの」=「好きなもの、気に入ったもの」になってれば、Sugar Toothは安泰なんだけど(笑)。

 ガラス瓶の担当者Yさんのご来店は、「あーでもないこーでもない」、とゼロから決める事に対して悩みまくっていた頃を思い出した。お店が出来てたった1年ちょっとだけど、この頃は物事を決める事に慣れてきたんだなぁと。自分で決めて、自分で背負う、という事に緊張していた頃を思い出すと、気が引き締まる。ジャム瓶のデザインがSugar Toothの顔になるんだから、と慎重に納得いくまで、何度もkskさんにお願いしたなぁ。いやー、あの時、今より暇な人で助かったー(笑)。今だったら相手してもらえない(ここ数カ月チョー忙しいんですよ、あのお方)。

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5件のコメント

  1. ジャムの瓶やラベルにも細かい工夫やこだわりがあることを知ると、
    ますます、大切にジャムを頂かなくてはという気持ちになります。

    でも実際は食べ出すと止まらなくなってしまうので、
    ハイスピードでの消費なのですが(笑)。

  2. あー、全部ゼロから自分で決める迷い、って
    すごくわかる!っていうか
    今まだ,その真っ最中で,毎日いろんな種類のことに悩みまくり中です。
    わたしにはkskさまもいないので
    デザインもパソコンも出来ないのに
    外注か自分でへっぽこに作るかでまた迷い
    コスト制限でまた悩み・・・
    1年経つと、一通りの悩みは過去のものになってるのでしょうか?

    それはさておき、ジャムのビン、これかわいい形だなーと
    最初に買った時に思いました。
    シールもシンプルだけど合ってていいなぁと。
    食べ終わった後も取ってあります。

  3. なかやまさん、一番大事なのは味なんでしょうが、やっぱり買いたいって思うような見た目だったり、値段だったりっていうのは必要要素なので、色々と考えました。なかやまさんのようにジャムをハイスピードで消費して頂けると、本当に店主としては嬉しい限りです!

    sighさん、1年経ってもずっと物事を決める作業っていうのは尽きずにあるのですが、ゼロからというより、今まで決めてきたものの流れがあるので、随分楽になるような気がします。冷蔵庫一つ決めるのも、もう一晩考えようみたいな繰り返しで、本当に最初は決める事が多すぎて、大変でしたし、sighさんもきっと大変だったと思います。デザイン関係はkskさんにお任せで助かってますが、出してもらったものをやり直してもらう時とか「それワタシの思ってる感じと違う」っていう事を伝える時は、かなりかなり気を使います(笑)。でも、一人でやってると、自分と向き合う時間がたくさんあって、色々と考えるようになったなーっと思います。

  4. こういうこだわりがあってのsuger toothなんですね。
    ロスが出るともったいなくてショックなのですが
    (しかも1人でやってると余計にヘコむ…)
    ブログ見てると、報われてるんじゃないかな?と思います。

    kskさんのくだものシールもとっても魅力的ですが、
    ジャムの色合いが生きるデザインで、
    ころころ美味しそうです♪

  5. YUZUKIさん、ジャムの瓶、中身の色が色々なので、ラベルがシンプルで良かったなと思っています。なかなか経営面では難しい面も多いのですが、長く続けられたらいいなーっと思ってます。何せ、風が吹けば今にも飛びそうなんで(笑)。

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