翻訳物を読む。

IMGP3021 最近は海外の小説の翻訳化が少ないと聞き、あぁそう言えば私もあんまり読んでないかもしれないなぁ、とちょっと翻訳ものを中心に読む事にしてみて、ブックオフ100円コーナーでイギリスものを中心に選んでみました。ジュリアン・バーンズの「最後の感覚」だけは珍しく通常価格でアマゾンで購入しました。イギリスのブッカー賞(所謂文学賞ですね)受賞作品って、カズオ・イシグロ以外読んでないかも、と思って。これからもブッカー賞もの、ちょっとずつ読んでいこうかな。ジュリアン・バーンズは何度もブッカー賞にノミネートされて、この作品でやっと受賞、という事だけど、この作品だけいつもの作品と違った感じのものらしいので、これだけでは何とも言えないなぁ。私が普段あまり読まないオフビート系な感じで、驚きの出来事とかは起こるんだけど、どこか俯瞰的で低体温な印象。
 「ハイ・フェディリティー」は映画化されてて好きな映画だし、原作読むのもいいかな、と思ったのだけど「ロンドンブールヴァード」もコリン・ファレルとキーラ・ナイトレイで映画化されてたとの事。予告編をyoutubeで見たら、設定自体が全然違うみたいだけど。単なる女優のボディガードみたいな映画になってるっぽいなー。実際の小説はサンセット大通りのストーリーをベースにしていて、ロンドンが舞台のクライム小説。簡単に人が次々死んでいくので、登場人物が最後に誰も居なくなるんじゃないの、と心配になるけど、一瞬で読みきってしまうスピード感でした。カフェの合間に一気に読めました。
 「料理人」はアマゾンだともう旧バージョンは手に入らないみたいで、今の表紙のはちょっとシニカルな部分というか風刺が減っているようです。これもなかなか面白かった。

 他にも色々と翻訳ものを読んでみたのだけど、やっぱり難しいところもあるのだなぁ。例えば「終りの感覚」に彼女に貰ったものをオックスファムの店に寄付をした、次の週には自分が彼女にプレゼントしたものが、そこに置いてあった、というような文章があるのだけど、オックスファムがどの町にもあるチャリティショップって事を知らないと、この行動のお互いの嫌味の投げ合い、みたいな部分の意味が分かんないよな、と。ロンドンブールヴァードもロンドンとかアイルランドの事をちょっとくらい知らないと、意味分からないんじゃないかなぁ、という表現が多かったので、私もアメリカの小説とか、フランスの小説とかだと、イマイチ理解できずに良く分からない、という事になるのかもなぁ。でも時々、大当たり、という小説に海外ものでも出会うので、宝探しのように色々読むのがやっぱり楽しいです。

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