今年初の映画館。


 気づいたら今年初の映画館でした。「鑑定士と顔のない依頼人」を、12月25日のクリスマスに。平日だと思ったら、学校はお休みで映画館は若いカップル達や、グループ達で凄い混雑してました。あと、シネコンの1階のケンタッキーが行列で、あぁクリスマス、という感じでした。
映画は、ニューシネマパラダイスの監督ジョゼッペ・トルナトーレの脚本、監督で、ジェフリー・ラッシュが主演。ジェフリー・ラッシュが凄く上手い。そして英語が綺麗で、聞き取りやすい。
 物語は裕福で目利きの鑑定士でオークショニアの初老男性ヴァージルが、部屋から出ず誰にも合わずに長い間生きてきた依頼人の若い女性クレアと出会い、心惹かれていって、何だか人生大きく変わっていってしまうという。
 最後はいたたまれないというか、老い先短いであろう人生なのに、本当に少ない人としか関わって生きてこなかったのに、その少ない周りの人全てに裏切られるという、何ともやりきれないラストなのですが、ジェフリー・ラッシュ演じるヴァージルの心の葛藤というか、やり場の無い気持ちをどうにかしようと、最後に静かにもがく姿に凄く共感というか、身につまされるというか、痛いなぁと。警察に行こうとちょとは思うのだけど「でも、初めて好きになった超年の離れた若い女性といい思いもしたし」「出会わなければ良かったか、といえばそうでもないし」「何で気づかなかったのか、自分にもちょっとは落ち度が」「俺ってめっちゃ嫌われてた?」とグルグルぐるぐる、色んな思いが回って、やっぱり最後はプラハに行っちゃう、捨てないよと約束しちゃったビリーの描いたクレアの母の肖像画を持って。親しい人、信じていた人、長い付き合いの人に裏切られるという事は、本当にシンドい、しかもこの歳で、と思うともうねぇ。
 映画としては、美しい絵画にヨーロッパの雰囲気や高級な物が溢れていて、伏線がちょこちょこあって、ディテールも凝ってるし、見ていて良い映画だなぁと思うのだけど、私はこういう変人というか、人間関係を上手く形成出来ない人だったり、一人で生きる事が当然のような人生を歩んでる人に、物凄く感情移入してしまうので、最後は胸が痛いというか、救いが無いなぁと思ってしまいました。
 今年は旅行に行くのに、節約しまくったので、映画館にも行かなかったし、DVDも1本も借りなかったのだけど、来年はもうちょっと映画館に行こう、と思いましたです。

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2件のコメント

  1. これ見ました。
    わたしも同じく、ああいうかたくなで孤独で不器用な人に感情移入する方なので、最後が切なくて胸が痛くて仕方なかったです。殻を破って初めて愛した人に、あんな風に裏切られてたなんて、もう何も誰も信じることはできないだろうなと思うし。いい映画だけど、つらい映画でした。

  2. sighさん、クリスマスに一人で見る映画じゃないな、と見終わってから気づきました(笑)。いい映画だなと思いますが、ホントにじわじわと見終わってからやりきれなさがやってきました。英題が「Best Offer」っていうのがまた何ともアイロニックですよね。

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