ヤン&エヴァ・シュヴァンクマイエル展。


 ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 〜映画とその周辺〜を見に京都文化博物館へ。前期、後期と分かれていて、今やってるのは後期分。前期は夏にあったのだけど、行かなきゃ、と思ってるうちに終わってしまい、今でも悔やんでいる。
 元々ブラザーズ・クエイが好きで、そのブラザーズ・クエイが尊敬している作家としてヤン・シュヴァンクマイエルの名前を聞き、初めてロンドン留学中に名画座で上映された「アリス」を見て、衝撃を受けたのです。その後、留学期間2年半のうち「アリス」は映画館で3回見ました。「ファウスト」はちょうど留学中にオンタイムで公開されて、映画館で見たのだけど、ファウスト自体のストーリを知らなくって、1回目は途中、寝ちゃったという。ヨーロッパ人のクラスメイトにファウストのストーリーを聞いたのだけど、お互いつたない英語能力でのコミュニケーションだった為、イマイチ分からぬまま、再度見たけど、やっぱりよく分からなかったなぁ。日本語字幕で見て、初めてあぁ、そういう話だったんですか、と。
 ちなみにブラザーズ・クエイは高校1年生の時に「ストリート・オブ・クロコダイル」という映画を、レンタルビデオ屋さんで借りて見て、その夜怖くて眠れなかったというのが出会い。ロンドンにアトリエがあって、見に行った日本人が中に入れてもらったらしい、というのを聞いて、私も行きたい行きたい!とミーハー心で騒いでいたなぁ。結局、どこにあるのか分からず、行けずじまいだったのだけど。
 久々に1時間以上美術館に滞在したんじゃないかなー。もうね、凄い興奮でした。「うわ!アレはアリスに使われてたセットよね!」とか「ファウストのマリオネットってあんなデカかったの?」とか、目の前の作品に集中出来ないくらい、先の展示が気になっちゃって、最初はとりあえずざーーっと流して、全部を把握してから最初に戻ってじっくり、そして更に戻ってピンポイントでじっくり。ポストカードを買いつつ、42000円のリトグラフを本気で悩む。だって限定100枚でヤンのサイン入り。オーダーしてから作ってサイン入れるから11月以降の納品だって。もうヤンも80歳近いわけだし、今しかチャンス無いわよね、ってショップを5周くらいして、絵図のファイル3冊を10往復くらいめくって、悩みに悩む。でも、強くコレっていう絵が無くて、諦める。映画の中のものがあればなー。全部、本の挿絵ばかりで、素敵だけど、そこに思い入れが無かったかもしれない。ポストカードを5枚買って、気持ちは満たされて帰宅。ヤン・シュヴァンクマイエルの映画を見た事が無い人や、1本くらいしか見てなくって、しかもあんまり思い入れが無い人は、行っても楽しくないかもしれない。ワタシにとっては多感な時期にみっちり傍らにあった存在なので、とても興奮出来た時間だった。
 夏の展示の際は京都に来てヤン自ら設営に参加されたとの事。東京では結構定期的にヤンの展示はあって、その都度羨ましがってたのだけど、ホント、京都で見れてとてもとても嬉しかった。
 新作映画の「サヴァイヴィング・ライフ」のメイキングの上映が展示の中にあって、夢中で見た。物凄くアナログで、最小限の人間で進めている撮影。女優さんが自分で自分に血のりを付けてたり、ヤン自ら手の出演をしてたり。
 youtubeにサヴァイヴィング・ライフの予告編があったので貼りつけときます。ヤン・シュヴァンクマイエルの映画に出てくる食べ物って圧倒的にマズそうで、この映画にも色々出てきそうなのだけど、それもまた怖いもの見たさの楽しみでもあります。

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