「薔薇とサムライ」を見た。

劇団・新感線「薔薇とサムライ」観賞。2年前に見た「五右衛門ロック」のパラレルストーリーだという事で、期待度高く、どうしても見たいーーっと、Ｓ席取れなかった後も、いつもは諦めるところをＡ席のチケットで再度、予約トライした程。結果、良いＡ席は悪いＳ席よりよっぽど見やすいという嬉しい誤算。後ろのスクリーンに歌詞が出るのだけど、どうしても見切れたり、端っこで何か細かい事をされたら見えない、とかいう事はあっても、3階席の前の方の席は凄く見やすかった。3階席は2階席より、傾斜が急なのか、前の人の頭も邪魔にならない。
　今回の客演も豪華。天海祐希、浦井健治、藤木孝、山本太郎、森奈みはる、神田沙也加。天海さんのコスプレミュージカルとしても楽しめる内容。惚れ惚れするビジュアルは如何無く発揮されていて、殺陣なんか、完全にダンスですもん。優雅というか舞うような感じ。宝塚時代を彷彿とさせる衣装も多く、自分をパロっているにも関わらず、ウソ臭さが出ず、何だか分からない説得力がそこにあるのが不思議。あと浦井さんが意外なくらい、楽しそうで、何とも愛されキャラになっていて驚き。山本太郎君は、最初、誰か分からなかったくらい男前で、ズラとメイクでここまで分からなくなるもんだなぁと。身体能力高そうだし、歌も大丈夫、そして物凄くメイク映えするんでビックリ。一番意外だったのは神田沙也加ちゃん。凄いですよ、彼女は。親の七光りじゃなく、ちゃんと地道に積み重ねてる感じがして、凄い好きになりました。歌うとお母さんそっくりで、笑いもちゃんと取れてて、可愛さは遠くから見ても漂ってくるし、新感線で5分やそこらのソロを舞台一人っきりでやっちゃうってのは相当なもんだと思う。しかも臆することなく、立派にやっちゃってるんだから。いやー、下ネタの無い舞台でおばさん、ほっとしちゃったわ(笑)。

　五右衛門ロックの時に、かっちょいいー！っとシビレた口上は、今回は古田さんと天海さんの2人のみ。山本太郎君と浦井さんが入ってても良かったんじゃないかなー。新感線の役者さん達も今回はかなり活躍。橋じゅんさんは、一番オイシイ役割だったねぇ。古田さんは若干、こなしてる感があって、ちょっと同じようなお芝居が続いてるからかなーっと。でも、相変わらずの安心感。2年前の五右衛門ロックはあまりに凄くて、ホントに何だか分からない興奮にウワーっと包まれた感じだったのに比べて、今回の「薔薇とサムライ」は安心感というか、はちゃめちゃ感はあんまり無かった。だって、北大路欣也オン新感線のインパクトったら凄かったんだもの(笑)。そんな五右衛門ロックにも出てたメタルな冠君は、セリフが増えたり、演技部分が増えたりで、どんどん舞台役者っぽくなってきたなぁ。

五右衛門ロックに続き、歌の歌詞は森雪の丞さん。スクリーンに歌詞が出る場面も多く、言葉選びの巧みさに、ニマニマしてしまう。歌詞が出ないところでも、しっかり歌詞を聞き取らねば、と思いながら見てしまう。

　今回はＬＥＤパネルやスクリーンを多様していて、書き割りセットがほとんどなくて、ちょっと寂しいなーっと。ＬＥＤパネルやスクリーンの映像の多様さは、舞台転換をスムーズにしたり、一瞬で景色が変わったりするのが良かったりするんだけど、私は舞台ならではの書き割りセットも大好きなのです。次回、秋のネタものはその辺にちょっと期待。ネタものな上、客演が田辺誠一。んもー、楽しみ！！新感線の客演としては線が細いかなーっとも思うけど、大人計画で磨かれた天然っぷりをたっぷりイジってもらいたいなぁ。