港町純情オセロを観た。

 「港町純情オセロ」を観た。マクベス、リチャード三世に続く新感線のシェイクスピア第3段。何故にオセロー?という最初の思いは観終わった後も。メタルマクベスが素晴らしすぎたからなぁ。
 休憩挟んで3時間半の長丁場。正直、オセローは好きな戯曲じゃないので、話を楽しむというより新感線がどうシェイクスピアをアレンジしてくれるのか、というところに期待。リチャード三世はごく真っ当に、セリフもそのまま、という変化球無しの勝負だった。膨大なセリフ量の戯曲は、新感線のお芝居しか観ない観客を置いてけぼりにした感は否めず、船を漕ぐお客さん多数だった(それでもリチャード三世としては物凄く分かりやすい演出だったけど)。
 今回のオセローは、長台詞は多かったものの、割と軽めに仕上がってて、物凄く観やすく話の筋も分かりやすく任侠話として語られていく。オセロー役の橋じゅんさん、冒頭、病院のベッドのシーンで「腰の具合はいいんですか?」と言われ、復帰報告的な演出。オセローを純情でまっすぐなお馬鹿さん的なキャラクターにしちゃって、橋じゅんさんを当てたのは面白いな。モナ役(オセローで言うデスデモーナ)の石原さとみちゃんは、可愛く、キャピキャピと普段のイメージそのままに。デスデモーナのイメージよりかなりテンション高め。デスデモーナがモナだから、他の配役も元の役名からとってるのかなーっと思ったけど、全部が全部じゃないのね。モンターノがもんたのりよし、だったくらい。おぉ、凄いな、と思ったのは大東俊介君。最初出てきた時「誰だあの子は!?」と強烈な印象だったので、幕間の休憩時間にキャストを確認してホントにビックリ。全っ然、イメージ無かった。振り幅広い役者さんなのかもな。ゲイ役がピタリとはまってた。伊礼彼方さんは、今回、拝見するまで全く知らない役者さんだったけど、存在感ありあり。オセローという戯曲の中では主役以上の、イアーゴという狂言回しの役割を、田中哲司さんがしっかりと。

 でもなー、やっぱりオセローって、ほぼ4人を主軸に話が回っていくので、新感線がやるには勿体ないんだよなー。かなり色んな人が活躍する話しには書きかえられてたけれども。それでも、ほぼ田中哲司が中心の話、という感じはしちゃったし。ま、でも古田さんも聖子姐さんも出て無いので、少々寂しい感じもあったけど、ここまでシェイクスピアのハードル下げたのは凄い事だなーっと思う。一応、この先も新感線のシェイクスピアシリーズがあれば、観ていくつもり。今回配られたチラシで次回のいのうえ歌舞伎のキャストを見て頭を抱える(小栗旬君や仲里依紗ちゃんなど、超豪華な方々)。絶対にチケットが取れない。しかも夏休みだし。チケット争奪戦に参戦する気力の無いワタシはすでに諦めモード。

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